ル・ボンジュール、ゲンゴロウです。
今日は風雨が強いので室内観光。
そこで、まえから興味のあったコンシエルジュリを訪れました。
ここは、以前訪れたサント・チャペル、および最高裁判所と一体になった建物です。
もともとは、フランス最初の王様、クロヴィスが王宮を築いたのが始まり。
それを聖王ルイをはじめとして、歴代の王たちが改築を重ねました。
そして14世紀末、シャルル5世がここに裁判所を設置。
だから今も、ここには最高裁判所が存在しているんですね。
建物の一階は、王宮の名残をとどめています。
そこは2000人の家来がひしめく場所でもありました。
柱頭に刻まれたモチーフは、アベラールとエロイーズ。
禁じられた師弟の悲恋で名高い二人です。
こちらのエロイーズは、書物を手にしています。
さすが、中世の高名な神学者の女弟子。
でも革命の嵐が吹き荒れると、王の裁判所は、革命法廷へと変貌します。
これは牢獄の鍵と、出入獄のさいに収監者が名前を記した台帳。
ここはコンシエルジュ、すなわち獄長の部屋。
前述の台帳が置かれ、背後には銃器も見えます。
その隣には「化粧室」。その名の通り、死化粧の部屋。
女性たちはここで断髪し、断頭台に登りました。
ギロチンの邪魔にならぬよう、あらかじめ髪を切ったのです。
大革命の悲しい裏面を示すのが「名前の部屋」。
ここには1793年から95年のわずか2年間に、
革命法廷で裁かれた4000人以上の名前が刻まれています。
この大革命の恐怖を体現したのが、あのロベスピエール。
「美徳なき恐怖は不吉であり、恐怖なき美徳は無力である」(ゲンゴロウ訳)
だけど、その彼もまた、断頭台の露と消えます。
ここはロベスピエールが最後の日々を過ごした場所。
「私の記憶を君らに残す。
それが君らにとって親しいものとなり、
君らがそれを守ってくれるように」(訳ゲンゴロウ)
でも、何と言ってもコンシエルジュが有名なのは、
あのマリ・アントワネットが収監されていたからに他なりません。
マリ・アントワネットが幽閉されていた場所。
王政復古の時代には、「悔い改めよ」とばかりに、
彼女とルイ16世を祀る祭壇が設置されました。
そこから扉を抜けると、通称「女たちの中庭」。
収監された女性たちが、散歩を許された場所ですが、ものすごく狭いです。
女性たちは、裁判の帰趨に怯えながら、この高い塀を見上げ、
救いが来るのを待ち望んだのでしょうか。
悲しい歴史の裏面にひとしきり思いを馳せた後は、
大好きな近所のパン屋さんで、モンブランをゲット。
晩御飯は、ゲンゴロウ特製のクスクスのメルゲーズ添え。
メルゲーズは、羊の腸詰。スパイシーで、僕の大好物です。
また、お便りします。